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スーツ生地の選び方—イギリス製が選ばれる理由とは?

上質なスーツを仕立てるうえで、最も重要な要素のひとつが「生地選び」です。

なかでも、イギリス製のスーツ生地は、世界中のテーラーやスタイリストたちから高い評価を受け続けています。耐久性、風合い、織りの美しさ、そして何よりもその格式ある佇まい。

ビジネスシーンはもちろん、フォーマルな場でも信頼を寄せられる理由は、長い歴史と職人の技術に裏打ちされた品質にあります。

この記事では、イギリス製スーツ生地の魅力を掘り下げつつ、代表的なブランドや生地の種類、用途別の選び方までを詳しくご紹介します。

初めてオーダースーツを検討している方はもちろん、次の一着をこだわって選びたい方にも役立つ内容をお届けします。

【この記事のポイント】

理解できること 説明
イギリス製スーツ生地の特徴 耐久性や風合い、重厚な雰囲気などの魅力を把握できる
主なイギリス生地ブランド Holland & SherryやFox Brothersなど、代表的なブランドを知ることができる
生地の種類と用途の関係 ウールやツイードなど、生地の特性と向いているシーンを理解できる
スーツ生地の選び方のコツ 初心者でも失敗しない生地選びの基準を学べる
オーダースーツの基本的な流れ テーラーでの相談から仕立てまでのプロセスを理解できる



はじめに: スーツ生地選びの重要性

イギリス製スーツ生地の魅力とは

スーツの印象を大きく左右するのが「生地」です。

色合いや柄、質感などによって、同じシルエットのスーツでも与える印象は大きく変わります。

とくに生地の持つ質感や落ち感、ハリ感は、着用者の品格や信頼感に直結する要素。

そのため、どの生地を選ぶかは見た目以上に重要な意味を持つという事になるんですね。

なかでもイギリス製のスーツ生地は、長い歴史と伝統に裏打ちされた技術力により、重厚感と上品さを兼ね備えています。

ウールの織り密度や仕上げ技法の違いが、他国の生地にはない独特の風合いを生み出し、これが多くのビジネスマンやスタイリストたちに支持される理由となっているんですよ。

また、イギリス製生地はその耐久性やシルエットの保形性にも優れ、仕立て映えも良いため、ハイクラスな仕立て服には欠かせない存在として世界中で高く評価されています。

なぜイギリス生地が選ばれるのか

  • 耐久性が高く、長期間にわたって使用しても型崩れや毛羽立ちが少なく、着用するたびに身体になじんでいく特性がある
  • クラシックな風合いを保ちながらも、現代のトレンドにも自然に溶け込む普遍的なデザインで、年代やスタイルを問わず幅広く対応可能
  • 世界的にも高評価を受けており、多くの一流ブランドやサヴィル・ロウの名門テーラーでも採用されるなど、その品質の高さは国際的な信頼の証

本記事の目的と読むべき価値

イギリス生地の魅力を深く掘り下げ、その歴史的背景から、実際にどのような場面で選ばれているのか、具体的なブランドの特徴やユーザーからの評価などを交えながら、丁寧に解説していきます。

また、用途別の選び方や、それぞれのシーンに適した生地の種類、さらにテーラーとのコミュニケーションの取り方に至るまで、実用的な視点を重視して構成されています。

初めてスーツをオーダーする方でも直感的に理解しやすいように、図表や比較リストも取り入れながら、生地選びで後悔しないための知識を網羅的に提供します。


イギリス生地の特徴と品質

高品質なウールと繊維の種類

イギリス生地に使われるウールは、繊維がしっかりとしており、一本一本が太く、強度のある毛質が特徴です。

これにより、生地全体の耐久性が高まり、日常的な摩擦や湿気の影響にも強くなります。

また、打ち込みが強いため織り目が詰まっており、ハリやコシがしっかりと出ることで、美しいシルエットを長時間保ちやすくなります。

さらに、こうした構造により型崩れしにくいだけでなく、自然なドレープ感と高級感ある風合いを生み出すことができるのです。

繊維の種類 特徴 向いているスーツスタイル
サフォーク コシが強く重厚感あり ビジネス、ウインタースーツ
メリノ 柔らかく光沢感がある ドレススーツ、式典用
チェビオット やや粗めで素朴な風合い カントリースタイル、ツイード

イギリス生地の格付けと評価

生地の品質は”Super○○’s”という単位で表され、数字が高いほど細く滑らかなウールです。

格付け 特徴 用途例
Super100’s 標準的で耐久性が高い ビジネススーツ
Super120’s 高級感と実用性のバランス フォーマル寄りのビジネス
Super140’s以上 滑らかで高級感あり 特別な場・セレモニー

最適な色柄と風合いの選び方

  • 無地: 初心者向けでありながら、ビジネスからフォーマルまで幅広く対応できる万能な選択肢。どんなシャツやネクタイとも合わせやすく、初めてスーツを購入する方や着回し重視の方におすすめです。
  • ストライプ: 縦のラインが体型を引き締めて見せてくれる視覚効果があり、スマートで洗練された印象を与えます。ビジネスシーンでは特に好まれ、クラシックなピンストライプから個性的なワイドストライプまで多様に展開されています。
  • チェック: カジュアル寄りで個性を演出しやすく、ウィンドウペンやグレンチェックなど多彩なパターンがあります。季節感を取り入れたスタイリングにも適しており、ファッション性を高めたい方に最適です。



イギリス製スーツ生地ブランド一覧

有名なブランドとメーカーの紹介

ブランド名 特徴
Holland & Sherry 高級感と伝統の融合
Scabal 滑らかな手触りと発色の美しさ
Dormeuil フランス生まれ英国育ちの高級生地
Fox Brothers ツイードで有名、クラシカルな雰囲気
Huddersfield Fine Worsteds 打ち込みの良さと耐久性

人気のスーツ生地ブランドランキング

  1. Holland & Sherry
  2. Scabal
  3. Fox Brothers
  4. Dormeuil
  5. Dugdale Bros & Co

伝統と革新を底支えする老舗ブランド

たとえばFox Brothersは1772年創業の老舗で、250年以上の長い歴史を持ち、イギリス国内におけるウール文化の中心的存在として多くの影響を与えてきた企業です。

特にツイード素材においては、その品質とバリエーションの豊かさから、カントリースタイルの代表格とも言える存在です。

伝統的な手法を大切にしながらも、現代的なファッションに適応するためのアレンジや新素材の導入など、時代に合わせた革新を怠らない姿勢も高く評価されています。

製品はロンドンの高級テーラーや世界各地のメゾンブランドでも使用されており、まさに伝統と革新が共存する英国生地メーカーの象徴といえます。


スーツ生地の選び方ガイド

シーン別の生地選びのポイント

シーン おすすめ生地 理由
ビジネス ウーステッド(中厚) シワになりにくく使いやすい
フォーマル Super120’s以上 高級感と滑らかさが求められる
カジュアル フランネル、ツイード 温かみと柔らかな表情

服地の質感と打ち込みの重要性

打ち込み(weave density)が高いほど、織りの密度が高くなり、それによって生地の強度が増し、シワになりにくくなります。

高密度な生地は型崩れしにくく、着用時のフォルムを美しく維持できるため、長時間の着用や出張などでも安心して使用できます。

また、打ち込みがしっかりしていると、見た目にも重厚感が出て、落ち着いた高級感を演出できます。

さらに、生地のハリや重さを手に取って感じることで、その仕立て映えやドレープの出方を事前に把握できるため、実際の着心地やシルエットにも直結します。

購入前には、こうした質感や打ち込みの感触をじっくりと確かめることが、後悔しないスーツ選びには欠かせません。

テーラーとオーダーの流れ

  1. 生地選び(バンチブックなどから)
  2. 採寸とカウンセリング
  3. スタイル提案・仮縫い
  4. 本縫いと納品

💡 プロのテーラーと相談しながら、生地の特性に合った仕立て方を選ぶことが成功の鍵



イギリス生地の魅力と文化

歴史に誇るイギリスの織物技術

イギリスは17世紀から繊維業が盛んで、特に産業革命以降はその技術力と生産体制の向上により、世界的な織物大国としての地位を築いてきました。

各地に点在する織物工場では、熟練の職人たちが世代を超えて培ってきた技術を駆使し、細部までこだわった生地を生産しています。

こうした伝統技術は時代とともに改良され、現代の要望に合わせた新素材や多様な織り方にも対応できる柔軟性を持っています。

その結果、イギリス製の生地は今でも世界中の高級ブランドから圧倒的な支持を受けており、ファッション業界において不動の地位を誇っています。

ロンドンスタイルのスーツ文化

ロンドン・サヴィル・ロウは、世界中の紳士が集うオーダースーツの聖地として長年にわたり知られています。

ビスポーク(完全注文仕立て)の伝統を今も守り続けており、技術と様式において最も格式高い場所のひとつとされています。

ここに集うテーラーたちは、顧客一人ひとりの体型やスタイルに完璧にフィットする1着を仕立てるために、時間と手間を惜しまず丁寧な仕事を行います。

その中で使われるのも、もちろんイギリス製生地が中心です。重厚感と耐久性に優れたこれらの生地は、サヴィル・ロウのクラフツマンシップと見事に調和し、着る者に自信と品格を与えてくれます。

伝統を重んじながらも進化を続けるこの通りでは、イギリス製生地の本質的な価値が日々証明され続けています。

イギリス生地の世界的影響

ラルフローレン、トムフォード、ブルネロ・クチネリ、アルマーニといった世界的な名門ブランドも、コレクションや特注ラインにおいてイギリス製の生地を積極的に採用しています。

これらのブランドは、イギリス生地の持つ重厚な質感や耐久性、さらには独特のクラシカルな風合いを評価しており、その選定理由は明確です。

上質な生地はデザインを一層引き立て、仕立てた際の完成度を高める要素として不可欠とされています。

イギリス生地は単なる素材のひとつを超えて、クラシックな価値観と高品質の象徴としてファッション界に広く浸透し、確固たる地位を築いています。


まとめと今後の選び方へのアドバイス

自分に合ったスーツ生地の価値

単に「高級だから」という理由で選ぶのではなく、自分自身のライフスタイル、日々の活動内容、出席するシーン、季節や気候に合った生地を意識的に選ぶことで、より実用性が高く、長く愛用できるスーツに仕上がります。

たとえば、出張が多い方であればシワになりにくいウーステッドを、格式あるイベントに頻繁に出席する方であれば、光沢感のある高番手の生地が適しています。

さらに、自分の体型や好みのスタイルに合わせて質感や重さ、落ち感まで考慮することで、快適さと見た目の美しさを兼ね備えた理想の一着に近づくことができるのです。

来店する際のチェックポイント

  • 生地見本を直接触ることで、実際の手触りや厚み、ハリ感、伸縮性などを自分の感覚で確かめることができ、着心地や仕立て映えの予測に役立ちます。
  • 光に当てた時の色合いを確認することで、屋内と屋外での見え方の違いを把握でき、選ぶ色が実際の使用環境に合っているかを判断しやすくなります。また、光沢の有無や織り柄の浮き出方も確認できます。
  • 仕立て実例を見る(完成イメージ)ことにより、同じ生地でも仕立て方やデザイン次第で印象が大きく変わることを理解でき、自分の理想とするスーツの完成像を具体的にイメージしやすくなります。加えて、テーラーの技術や得意なスタイルも見極める材料になります。

イギリスの生地メーカーでの体験価値

現地工場やショールームを訪ねると、生地の製造工程だけでなく、そこに込められた職人の哲学や企業の伝統、さらに取り組んでいる環境配慮や技術革新への姿勢など、普段は知ることのできない背景にまで触れることができます。

生地が織られる工程を間近で見たり、原毛の状態から仕上げに至るまでの流れを体験することで、スーツ一着に込められた膨大な工程や労力を実感できます。

また、スタッフから直接説明を受けたり、生地を手に取って感じたりすることで、品質に対する確信とともに、より深い理解と愛着を持つことができ、自分のスーツに対する誇りも一層強まります。

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