ジャケパンにスーツの上着を使ったらヤバイ！ジャケパンとスーツの違い

まずはジャケパンとスーツの違いなんですが、
一口にスーツとジャケパンの違い、とは言っ
てもその違いは実際には多くあることも確か。

生地や各部のディテールなど、色々と
あります。

ただ、1つ分かりやすい部分をお伝えすると、
そもそもスーツのジャケットとジャケパンの
着丈が違います。

長さを同じにする場合もあるのはあるのですが、
それはその人にもよるのですが、基本はスーツ
の着丈は、あるポイントに合わせる事を基準と
するのでジャケパンのジャケットより長い場合が
多いです。

ジャケパンのジャケットは、スーツより2～3㎝
短くする場合が多いですね。

なぜならスーツは上下共地なので、
多少ジャケットの着丈が長くてもパンツが
同じ柄で生地なので長くても気になりませんが、

ただ、ジャケパンでスーツのジャケットを
使うと、パンツと生地や柄の違いがモロに
出てしまい、野暮ったくなってしまう、
これが主な1つの理由なんですね。

ハッキリ言って私達、仕立て屋から見ると
すぐに分かる部分です。

あぁ、あの人スーツのジャケットを着ているな、
ジャケパンのことを恐らく理解できていない
だろ～な、と、他にも細かい部分はありますが…

そこで今回は、ジャケパンとは？から
「スーツの生地とジャケパンの生地」そして、

「スーツとジャケットの異なる部分」

「ジャケパンスタイルのフィッティングポイント」

について下記よりお伝えしていきます。

スーツとジャケパンに関する最も多い質問

こんな方がいらっしゃいます！（実は少なくない！）

スーツの上下を変えればジャケパンですよね？
答えは、NOです！

ジャケパンとは？

ジャケパンとは「ジャケット」と「パンツ」を
組み合わせた略語。

上下揃いではないデザインのジャケットと
パンツを合わせたスタイル。

スーツと比べると、親しみのあるカジュアルな
装いで、親しみのある印象が中心となり、
自由度があり、お洒落なイメージを与えられるのが
メリット。

またシーンによるが、Tシャツやポロシャツなどを
インナーに合わせられるので、着こなしの幅が広い
のもジャケパンの魅力。

スーツの上着はジャケットとして使えるのか？

上記でもお伝えしましたが、これもNG！

例えば、艶感のあるスーツの上着に、
ややカジュアルなスラックスを合わせた場合、

フォーマルなスーツの上着を合わせると少し
ちぐはぐな印象になってしまい、

なんとなく不自然で違和感がでる。

これは見る人が見ればすぐに分かる部分になる。

また、逆にスーツのパンツを合わせるのもNG。

スーツの生地とジャケパンの生地

そもそも動物性の素材は大きく分けて2つある！

【梳毛生地（ウーステッド）】

表面がツルッとした生地で、主にスーツ生地に
多く、通年使用できるのが主な特徴。

【紡毛生地（ウーレン）】

立体感（凹凸）のある生地で、主にジャケット
単品に多くある生地。中でも人気なのが、
フランネルやツイード、ジャケパンスタイルに
多い生地。

春・夏・初秋の生地（日本気候）

春夏に着ることができる生地は、主にコットン、
リネンなどがあるが、この生地は少しカジュアル
な寄りになるので、ビジネスシーンでは中々取り
入れづらい素材。

そこでおススメの生地が「フレスコ（強撚糸）」
の生地、これは通年使用可能（冬以外）で、
トラウザーズ単体（スラックス）でもいける。

秋・冬の生地（日本気候）

秋冬に着ることができる生地が紡毛生地（ウーレン）
主にツイードやフランネル、またカシミヤ
アルパカなどが生地の雰囲気を楽しむ事ができる。

スーツとジャケットの異なる部分①

スーツとジャケットでは、そもそもの仕立てが
異なることが多く見られる。

スーツの場合、肩回りはパットが入りやや構築的。

腰ポケットは内側にポケットが内蔵されている
タイプが多い。

裏地は内側に全てつく（総裏）タイプか、
背中だけ抜く仕様（背抜き）タイプが多い。

スーツとジャケットの異なる部分②

ジャケットの場合、一般的に肩回りはパットを
省いたデザインが多く、腰ポケットは外側に付く
「パッチポケット」が多い。

また、裏地は軽やかさを出すために袖裏部分を
除き全て抜いてしまう「アンコン仕立て」も
人気の1つで、サイズ感としては着丈がやや短め
となる傾向。

スーツとジャケットの異なる部分（まとめ）

根本的にはスーツのためにつくられている生地と、
ジャケット単品のためにつくられている生地は
そもそも違います。

スーツはサラッとツルッとで平面的に、
ジャケットは立体的にと言うように、スーツ（上下）
とジャケットの向き不向きを理解しておくことは
非常～に大切な部分となる！

ジャケパンスタイルのコツ

●色柄の組み合わせにメリハリ
　ジャケパン以外のアイテムに色を使い過ぎない
　ように注意。3色程度に抑えると全体がスッキリ。

●体型に合ったサイズ感
　ゆるゆるサイズも、ぴちぴちサイズもNG！
　上下のバランスがとりやすいジャストサイズを。

●季節感のある素材
　春夏は涼しく見える薄手素材、
　秋冬は暖かく見える起毛素材を。

ジャケットスタイル基本8型

ジャケットには様々なスタイルが混在している
のが現状。

下記では、まずは基本の8型（スタイル）について
お伝えいたします。

スタイル1【ネイビー・ブレザー】

ブレザーとは、カジュアルでスポーティーな
ジャケットの総称（一種）

ジャケットスタイルのデビューを果たすために、
まずはネイビーブレザーからと言うように、
ワードローブの鉄板定番である、ネイビー
ブレザーを極める！もっとも凡用性が高く、
基本的なスタイルとなる。

スタイル2・3【リネンジャケット】【コードレーンジャケット】

【リネンジャケット】
亜麻繊維を原料とした織物を使用して
つくられたジャケット。

水分の吸収性に優れ、汗の蒸発を促す特性も
ある事から、春～夏向きとなる。
サラリとした手触りと、視覚的に軽やかな
質感が主な特徴で、大人の余裕溢れる着こ
なしをグッと演出してくれる。

【コードレーンジャケット】
細い畝状のストライプが特徴的な生地で
つくられ、清涼感溢れ、春～夏時期に適した
ジャケット。主に白にブルー、白にグレー、
白にベージュなどといった配色が一般的。

スタイル4【サファリジャケット】

サファリ・ジャケットとは、アフリカでの
狩猟や探検、旅行時に使用した快適さと
機能性を求めて考案されたジャケット。
ポケットなどが多めに配置されているものも
多く、軽量なコットン（綿）生地やリネン
（麻）などで作られるものが一般的で、
両胸と両脇にパッチポケット等、肩章
（エポーレット）ベルトが主な特徴。
アメリカではブッシュジャケット
(Bush jacket)とも呼ばれている。

スタイル5【ハンティングジャケット】

ハンティングジャケットとは、その名の通り
「ハンティング ＝ 狩猟（hunting）」用に
作られたジャケットのこと。別名で、シュー
ティングジャケットと呼ばれる事も。

スタイル6【ハッキングジャケット】

ハッキング・ジャケットとは、乗馬服を起源
とするツイード製のジャケット。
シングルブレストで、前裾が丸くカットされ、
後ろ裾のセンターベンツと斜めのポケットが
主な特徴。斜めのポケット
（スラントポケット・ハッキングポケット）は、
騎乗中での物の取り出しやすさを考慮したもの。

スタイル7・8【ツイードジャケット】【ノーフォークジャケット】

【ツイードジャケット】
ツイードとは、英国スコットランド、及び
アイルランドを主要産地とする、太く短い
羊の毛を使用した「紡毛糸」を用いて織られ、
表面は粗っぽい毛織物のこと。
グレンチェック、ヘンリーボーンなど、その
柄も豊富で、秋～冬の定番素材として人気が高い。

【ノーフォークジャケット】
ノーフォーク・ジャケットとは、胸、肩、背中に
わたるショルダー・ベルトと、ウエスト・ベルトを
太い共布で付けたのが主な特徴。イギリスの
ノーフォーク地方や、イングランド貴族の
ノーフォーク卿が着用したなどが由来の説。

大人のジャケパンスタイル6つのフィッティングポイント

人間の身体は、曲線で構成されています。

その複雑な丸みなどに沿って、適切に裁断、縫製
されている、またはされたジャケパンこそ、
正しいフィット感を提供しうるものと考えます。

そこで今回最後に、大人のジャケパンスタイル、

ジャストフィットこそ美しいスタイル、

そして、ジャストフィットを実現するためにも、
これらを前提に次項では、おさえておきたい
6つのポイントをお伝えします。

ポイント-01「肩回り」

スーツと同様、ジャケットも肩回りは
大切なポイント！肩が袖付け部分に、
しっかりと収まり、フィットしているかを
チェック。その際、衿下部分などにシワが
でていないかなど、念入りに確かめる。

ポイント-02「胸（バスト）まわり」

よくスーツやジャケットは肩で着る、
な～んて言われているが、確かに間違っては
いない！でも実は胸回り、特にバストは最も
大切なポイントとなる！動きやすさを考慮
したうえで、拳1つ入るくらいとは言われて
いるが、それはあくまで基準、または好みも
あるので一概には言えない！大切なのは、
その人に合った程よいゆとりから動きやすく、
また、流行のシルエットなどもある。
結論、自分に合ったジャストサイズの胸回りを！

ポイント-03「袖丈（そでたけ）」

ジャケットの袖丈のバランスは諸説あるが、
まずは軽く腕を伸ばした時に、シャツの袖が
1cm～2cm（許容範囲）くらいのぞくくらい
がスーツと同様、バランスがいいと思う。
（※但し、女性の場合はこの限りではない！）

ポイント-04「着丈（きたけ）」

ジャケパンの場合、この着丈に関しては
トレンドの影響も少なからずあるポイント。
一般的にヒップがギリギリ隠れるくらい、
または短くてもせいぜいヒップの8割くらい
の長さを確保しておくことが望ましい！
（スーツ＆ジャケットの装いでヒップが
プリっと見えてると大人の装いではない、
というくらい大切な部分！）

ポイント-05「ヒップライン」

パンツの部分で特に注意しておきたいのが、
余計なもたつきがヒップ廻りにない事！
またワタリ（太もも部分）に適度なゆとりが
あるかをチェック！この他クリースが美しい
直線を描いていないようではNG。

ポイント-06「パンツの丈」

くるぶしが見えるのがカッコいい！
な～んて言われている方も少なからず
いるが、大人な着こなしとしてはやはり
靴の甲に少し触れる程度の「ハーフクッ
ション」「ノークッション」が望ましい。
（※賛否両論あり）業種にもよるがビジネス
シーンでは、大丈夫かって話し！

という事で今回は、
ジャケパンにスーツの上着を使ったら
いけない話から、ジャケパンとスーツの違い
について詳しくお伝えいたしました。

この記事が皆様のお役に立てれば幸いです。