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オーダースーツの生地の種類と主な特徴【永久保存版】



スーツ用の生地【織の基本3種】について

スーツ用の生地は平織りと綾織りが
主流です。

この他では、わずかに朱子織り
(しゅすおり)
が存在するというのは
覚えておきたいところです。

平織?綾織?ってなる方もいるかも
知れませんが、

これを知ってる事で、本当の意味で
スーツの生地を理解するための第一歩
となります。

特に、スーツをお仕立てするうえでは
とても大切なポイントで、実際にお仕立て
する時にはこれを知っているか、知らない
かで楽しみ方が全く違いますし、

何より生地選びの基準にもなります。

まずは以下より、織の基本3種について
解説いたします。

平織り(最もベーシック)について

経て(タテ)糸、緯(ヨコ)糸交互に
織られる最も基本の組織。

平織は凹凸が出にくいため、光沢が抑え
られる一方、通気性が高く、軽い生地に
なるので、通気性を生かした夏用の
シャツやスーツなどに使われる生地と
なる。

綾織り(高密度に打ち込める)について

平織の単調な組織とは異なり、斜めに
組織点(表に出る目)が並ぶように織り
上げられた組織。

生地に凹凸が生まれるため、平織より
光沢感が強まり、また、糸を高密度に
打ち込めるため、強度をもたせやすい。

主にオールシーズン(通年)や秋冬物
の生地に使用。

朱子織り(光沢が際立つ)について

サテンに多い織。経糸5本以上、
緯糸5本以上を用いながら、組織点が
隣り合わないように一定間隔で飛ばして
織られる組織。

手触りが滑らかで光沢感に富むのが
大きな特徴。

生地の番手について

番手とは、生地に使われる糸の太さの事。

羊毛糸の番手は、1㎏あたり1㎞の長さに
できるものを1番手とする。

1㎏あたり60㎞の長さにできれば60番手。

つまり数値が大きければ大きいほど細い
糸になり、繊細な質感となる。

生地のスーパー表記について

例えばスーパー100’sは、原毛1㎏
あたりで100㎞まで糸を伸ばせる事を
指す。

(※繊維の直径が小さい程価格が高い)

ただ実際の生地感は番手次第で、
数値が大きい=繊細で弱い、とは限ら
ない場合もあるので注意を!

目付について

目付とは、織物などの単位面積
あたりの重さの事。

スーツに限らず、生地の重さの
ことを、目付というが、この目付を
見れば、春物スーツか、冬物スーツか?
という判断もしやすい。

前項でお伝えした、糸の太さが番手、
原料の太さがスーパーという単位が
あるように、この目付は、私達も
クライアントと話す時にとても重視
しているポイントです。

季節ごとに最適な生地について

春…「コットンツイル」

夏…「リネン」「フレスコ」「トロピカル」
  「コードレーン」「シアサッカー」

秋…「ユーデュロイ」「梳毛カシミア」

冬…「紡毛カシミア」「フランネル」
  「ツイード」

オールシーズン…「ツイル」「ウールシルク」
        「モヘア」「デニム」

ウール&カシミア素材でオーダースーツによく使われている主な生地

【ウール生地①(ツイル)】

ツイルとは「綾織り」のことを指し、
綾織りを英語でツイル(twill)といい、
その多くは経糸の浮き(生地目)が斜めの
綾線を描く。

またツイルは、伸縮性に優れ、厚めの
生地でも柔らかさをだし、シワになり
にくいといった特徴がある。

【ウール生地②(フランネル)】

フランネルと言えば、秋冬の
定番紡毛生地。

ウールをフェルト状にし、起毛させた
生地で、綾織、平織と組織のバリエー
ションも豊富。

霜(しも)降りのように白糸が
混じっているものが一般的で、
風合いはソフトで弾力があるといった
特徴がある。

【ウール生地③(トロピカル)】

梳毛を用いた軽量な平織生地。

目を粗くすることで風通しをよくし、
さらりとした風合いに仕上げられて
いる。

熱帯の植民地向けに織られた事がこの
名前の由来で、主に夏の定番の生地の
1つとなる。

【ウール生地④(フレスコ)】

日本ではポーラーの名称でも親しまれる
強燃糸生地。

2本以上の強燃糸を撚り合わせた糸を
用いてるだけあって、ハリコシが強く、
また目が粗いため通気性には優れている。
(※フレスコとは英国企業の商標)

【ウール生地⑤(ツイード)】

スコットランドやアイルランドの
特産で、厳密には手紡績、手織り
されたものを言う。

経糸2本を綾織にしたものが王道で、
ジグザグ模様が表面に表れる。

温かみと武骨さが共存する風合いが
魅力なのが主な特徴。

【ウール生地⑥(ウールモヘア)】

アンゴラ山羊の毛、モヘヤはウール
よりも繊維が太くて長く、シルクを
しのぐ光沢がある事も特徴の1つ。

またブレンドした生地は清涼感のある
艶と強いハリコシを備える。

主に春夏向きと言われる場合もあるが、
秋冬にも広く用いられる生地として
人気が高い。

【カシミヤ①(梳毛カシミヤ)】

繊維が均質な梳毛糸で織られた
カシミア織物は、毛羽が抑えられ
滑らかなタッチが際立つ。

かみに満ちながらも、品のよい
表情がこの生地の魅力であり主な
特徴の1つ。

【カシミヤ②(紡毛カシミヤ)】

紡毛糸で織られたカシミアの織物は、
表面の毛羽立ちが際立ち、カシミアの
ソフトな風合いと相まって、温かみに
あふれた表情となるところが特徴の1つ。

また梳毛のカシミアより、空気を含む
量が多いため、抜群の保温性があると
いうところが主な特徴となる。

リネン&コットン素材でオーダースーツによく使われている主な生地

まずリネン&コットン素材について!

亜麻の繊維を原料とした服地で、
吸水・速乾性に優れるのがリネン
という素材。

ひんやりした感覚から主に春夏の
スーツ素材として定番的に用いら
れる。

また、吸水・吸湿性が高く、何より
丈夫なコットン生地は、カジュアルな
スーツやジャケットに向く。

【リネン①リネン】

リネンはザックリした清涼生地。

清涼感豊かな生地で、独特のシャリ感、
ハリ感を持ちながらも、ドレープは
しなやか。

それもまた味、だという事でお洒落者
にも人気。

【リネン②アイリッシュリネン】

アイランドで織られるリネンの事で、
「スペンスブライソン」など
アイリッシュリネンギルドのメンバーが
生産するものを主に指す。

一般的なリネンより滑らかで非常に
美しい光沢などを備えている。

【コットン①シアサッカー】

縦方向にサッカーじわという波上の
シワが現れた薄手の生地。

肌に接する面が少ないため涼感に富み、
春夏生地の定番として愛されている。

ただ、ポリエステルをわずかに
ブレンドしたものが一般的。

【コットン②コットンツイル】

綾織の組織で多くは組織点が斜めの
綾線を描く。

チノクロスの例からも分かる通り、
糸を密に打ち込んだものは必然的に
耐久性の高さも生まれ、スポーティー
なドレス生地として春先から活躍する
生地となる。

【コットン③コードレーン】

縦方向の畝を特徴とする組織で、
凹凸感がありストライプ模様とセット
になる事が多い。

涼しげな見た目や肌離れの良さから
春夏生地の印象が強い。

地厚な生地も存在し、固めの肌触りも
主な特徴の1つとなる。

【コットン④デニム】

経糸にインディゴを染めた糸、
緯糸に晒し糸を用い綾織にしたデニムは、
ワークウェアの定番生地。

但しテーラードジャケットやスーツ
に用いられるものは、ジーンズのもの
より軽く品のよい表情のものが多い。

【コットン⑤コーデュロイ】

毛羽(毛房)が縦方向の畝となった
ベルベット織物。厚地で保湿性にも
優れ、また、畝の太さは様々で、
太いほどカジュアルな印象となる。

見た目にもウォーム感がある秋冬素材
となる。

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